青嵐は初めて聞かされる朱花の生い立ちに、激しく憤り、そして嘆いた。


朱き爪で生まれたことも。
人成らざる力を持って生まれたことも。
何一つ。
朱花の罪ではない。
あのように。
山になど捨てられることなどなければ。
我のようなモノに。
拾われることなどなければ。
あのような無残な最期を。
朱花は迎えずにすんだやもしれぬものを。


子を捨てた親など、青嵐にはどうでもいいことだ。
人の成すことになど興味はない。
けれど、朱花を捨てた親を、青嵐は憎まずにはいられなかった。


一人、その胸中で激しく憤っている青嵐を眺めつつ、センは淀む空気を払拭するように、明るい声をあげた。

「最近は便利になったぜ。茶も、こうやって売っているんだ」

飲んでみろよと言うセンに、いらぬと青嵐はそれを固辞した。

「我は、そんなのようなもの」
「飲み食いしなくても、生きていけるのは知っているよ」

青嵐の言葉を遮って、センは喋り始めた。