「うん。不可解に感じるのは俺も判る」

判るよ、うんと、センは大きく頷きながら、言葉を続けていく。

「でも、爺さんが言うには、あの家では代々、その不思議な力を持った朱い爪の子どもは、シュカかシュテンと名づけているんだとさ」

はるか昔に聞いた言葉を思い出しながら、センは淡々と語り続けた。

「だから、あんたがあの子に朱花と名づけたのも、爺さんは必然だと言っていたよ。シュカの名を引き継ぐ者とした生まれてきた、それがあの子の宿命なんだとさ」

まあ、理解しがたいだろけどさ。爺さんはそう言っていたんだ。言っていたんだよ。
懐かしい昔話でもしているように、センは遠い目をして空を見つめていた。
そんなセンを見ながら、青嵐はそんなことがあるのだろうかと解せぬ思いに眉を潜めたが、それでも、確かに、センの言葉にあるとおり、朱花は爪の朱い不思議な力を持った子だったと納得するしかなかった。
ならば、センの言うとおり、朱花はシュカの生まれる家で生まれ、シュカと名付けられる定めにあった子なのかもしれない。
そんなことを、取り留めもなく考え続けていた青嵐は、新たな疑問をお覚え、それをセンに尋ねた。

「誰が、朱花を山に捨てられたのだ?」

あいつは、生まれてすぐの赤子の時に山に捨てられていたんだぞ。
目を険しくして、青嵐はセンにそれを尋ねた。