「ゆづぅ…ごめんなさい」 まだ完全に醒めたわけではないのか舌足らずな声が俺のツボをくすぐる。 他の女の喋り方では一番気に入らないはずなのに、杏璃なら大丈夫らしい。 『いいよ、大丈夫だから』 「でもぉ…」 目にいっぱい涙を溜めて、今にも零れそうなのを耐える姿もいじらしい。 『いいから』 「……ごめんなさい」 とりあえず、車は買い替えなきゃいけないだろうけど。