「ちょ、杏璃ちゃん!」 「もう飲むのやめときなって~」 「ぃや! 飲むもん!」 もう完璧に酔ってるくせに、まだ飲むのか。 杏璃の手にはグラスが握られていてテーブルにはボトルが5本は見える。 どんだけ飲んだんだよ。 たぶん電話に出た女と、男が止めるのも聞かずに声をあげる杏璃。 『…なにやってんだよ』 男たちがベタベタと杏璃を触るたびに虫酸が走る。 店の空気と相成って吐き気がした。