時間なんか忘れて、相手の男なんか気にも止めずに。 記憶を振り払うように、 過去を打ち消すように、 あたしは浴びるようにお酒を飲み続けた。 「杏璃ちゃん、すっごい飲むね~」 「シャンパン好きなの?」 「ボトルもう一本頼む?」 『………んぅ、飲む』 もうゆづを考えていた頭なんてどこにもない。 お洒落に盛り付けられた料理を食べながら、あたしはすっかり合コンに馴染んでいた。 ーーー鳴り続ける携帯をほったらかして。