だけど、あたしの心には隙があって。 決して閉じることのない、大きな穴がぽっかりと開いていて。 それに気付く人は誰もいなくて、訳のわからない感情だけはあたしの中に確かに残った。 大学が決まったと同時に、あたしは高校をやめて施設を出た。 施設の先生は「元気でね」と言う言葉だけ残してあたしを送り出した。 一人になったなぁ…と思ってすぐに笑いが込み上げてきた。 あたしは、最初から一人だったから。