『俺も仕事終わったらすぐ帰るから、先に家にいて』 「うん」 『……俺グラタン食べたい』 「はいはい、じゃあグラタン作って待ってます」 『うん』 今日はグラタン。 杏璃は料理上手いから、今から楽しみだな。 彼女の額にちゅっとリップ音をたててキスをしてから立ち上がった。 『玄関の前まで送れよ』 すれ違い際に、加賀っちに念押ししてから俺はカメラの前に立った。