本当は和食の料亭にでも連れていこうかと思ったけど、少し前に杏璃が雑誌をめくりながら「高級イタリアンのお店」を食い入るように見ていたのを思い出したから、イタリアンにした。


幸いここは何度か来たことがあるし、完全な個室も完備していて接客も超一流だ。


俺の顔がバレる心配もないし、スタッフが他言する心配もないから安心して杏璃と食事を楽しめる。




運ばれてきた前菜をキラキラとした瞳でみる杏璃は、本当に世界一可愛いんじゃないかと思う。




「ゆづ、これすっごくおいしい」



『うん。』




杏璃の手料理の方がおいしい…とか思ってる俺はそろそろ重症だ。