バタンッ!! 「杏璃っ!?」 『いやぁ!ゆづ、どこぉ!』 なにも見えない。 なにも感じない。 なにも聞こえない。 …………誰もいない。 ずっとこのまま? あたしは一人なの? 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ! 「ーーー杏璃!!!!!」 『…ハァ…ゆ、づ』 体温を感じた。 ぎゅっと抱き締められているような感覚と、甘い声。 「杏璃 俺はここにいるから。 落ち着け」 『あ…ゆづ、』 「よしよし」 会えた。 ゆづがいる。 目の前にいる。