補習の時間

先生は知らない。



私の一番得意な科目は数学だってこと。



テストだって、わざとじゃないように間違えるってコトにどれだけ頭を使っているか。




だって、こうして補習した後に良い点数取ると、「良く頑張ったな」ってその手で私の頭を撫でてくれるでしょ?






先生が呆れる前に、そろそろ終わりにしよう。




「できたか?」



「はい」



先生の大きな手がヒョイっとプリントを掴む



「上出来」




カラカラと窓を閉めると、急に静かになる教室。








「なあ、明日点数悪かったら、放課後の補習は俺ん家な」