-矢野Side-

3年2組。

――――――――神原結衣。

それだけが脳内をめぐる。

やっぱり、別れたほうがいいんだ。

そう決めたこの日。

幸せになるのはまだまだ先だ。

友乃とも正式には別れてないんだから。


ガラガラガラ


「起立・気をつけ・お願いします」

「「「お願いします」」」


「今年も担任の、矢野です。今年は、受験だから、あまり生活態度や勉強面でも気を抜かないように。」

神原は・・・。

ボーッと外見てやがる。

別れ話のついでに説教しとくか。

「じゃぁ、終わりにする。神原は、残っていろ」

「起立・気をつけ・ぁりがとぅございましたぁ」

「「「あーっとうしったー」」」

「なんですか?」

「あぁ。別れよう。今のままじゃ、絶対無理だ。」

「なにが。」

「今の状況じゃ、お前を幸せになんてできない。」

「分かりました。じゃぁ奏多くんと付き合いますね」

「誰と付き合うかなんて報告しなくていいから、好きにしろ」




何で、俺ってこんなに冷たいやつなんだろう。

何事にも動じない。

冷静すぎて、今の自分が笑えてくる