咲・・・。



お前は航生のこと愛してんだろ?


愛してるなら一番に航生の幸せ
考えてやるべきじゃねーのか?



なんでそれが
できねーんだよ・・・。



「大輔・・・?」

そう言って優香は俺を見つめた。

「優香・・・。
 航生は来ない。
 咲が変な気を起こしたらしい。
 今二人とも屋上にいる」

「なんで大輔がそれを?」

「俺は滝本財閥の一人だぞ?
 そんなことぐらい知るのはたやすいことだ」

「そっか・・・。
 航生は咲さんを・・・」

「いや。今回は仕方ない」

「もういいの。
 航生が幸せならそれでいい」

「航生は幸せなんかじゃない。
 今咲と優香のことで
 誰よりも苦しんでる」

「・・・」

「そんなことより
 明日俺らの結婚式の
 打ち上げがあるみたいだぞ?」

「えっ!?
 そんなこと聞いてない!」

「俺もだ。
 今情報が入った」

「なんで・・・?」

「俺らの親にとったら
 俺らが結婚することが好都合なんだよ。
 俺が加奈と駆け落ちする前に
 早く結婚さそうって魂胆だな」

「そんな・・・。
 大輔はそれでいいの?」