未熟な恋人



典型的な披露宴。

キャンドルサービスもあればケーキカットもあるし、主賓の方からのお祝いのスピーチもある。

その当たり前の流れの中に身を投じて、お祝いの言葉に酔いながら。

まるで現実味のない、おとぎ話のお姫様のような感覚をあじわっていた。

そして、宴も終盤。

お色直しを終えて、ピンクのドレスを纏った私を優しく見つめる暁。

私のヘッドドレスにあしらわれたのと同じ花を胸元から覗かせている暁は、白いタキシード。

暁の演奏会で見慣れている正装だとはいえ、今日の暁は一際格好よく見えて、ドキドキする。

会場の扉の前に立ち係の人の指示を待っていると、暁はそっと腕を差し出してくれた。

小さく頷く暁に笑顔で答えて、ゆっくりと腕をからませると。

「さ、ご入場ですよ」

係の人が優しい声で笑ってくれた。