「私のせいだよ。高校生の私が妊娠したことを、手放しで喜んでもらえるわけでもないのに、反対されないのをいいことに有頂天になって、周りからの心配にも耳を貸さなかったから、赤ちゃんは死んだんだよ」
「違うだろ、あの車が伊織に突っ込んできたから、それで赤ちゃんは……助からなかったんだ」
私を諭すように必死な暁を見ると、何度も悩んでいたに違いないとわかる瞳の奥の影。
きっと、私と離れていた留学中も、悩みは尽きなかったはずだとわかる。
「もしも大人になった今、妊娠していたとしたら……」
ゆっくりと、暁の目元に指先をのせた。
不安げに私を見ているそこに、愛情と安心を落とし込むように。
「今なら、同じように交通事故にあったとしても、赤ちゃんは死なずに済むのかもしれない」
「え……」
「そんなに驚かないで。何年も考えてきたことだし、私の中ではそう結論が出てるから。
ちゃんと成熟して、心も体も妊娠と上手に付き合える大人になった今なら、同じように事故にあっても赤ちゃんを守れたのかもしれない」

