「これ、俺のCD。とりあえずこっぱずかしいから俺のいない時に聴いて」
そっと手渡されたのは一枚のCDで、ジャケットはイメージ画のような、ピンクの淡い色が綺麗な絵。
じっとそれを見ていると、傍らの暁が小さな声で。
「俺たちの赤ちゃん、いるんだ、ここに」
「え?」
暁が指さしてくれた先には、淡いピンクのグラデーションの合間に微かに浮かんでいる白いハート。
ハート自体の輪郭がぼやけていて、きっちりと左右対称に書かれている物ではないけれど、じっくり見るとハートに見える。
「ピンクだったらいいなって思ってたんだ。俺たちの赤ちゃんが伊織のお腹にいる時、穏やかにのんびりと、俺たちに会えるのをこんなピンクの空気に包まれて優しい気持ちで待っていてくれていたらなって、そう思って。
で、この白いハートが、俺たちの赤ちゃん。会えなくて、どんな顔だったのかもわからないから、みんなが大好きで、幸せな気持ちになるハートがいいかと思ってこんな絵を描いてもらったんだ。
単なる俺の願望だけどな」

