未熟な恋人



きっと、このネット社会に生きていれば、暁の消息なんて調べれば何らかの情報は手に入ったはずなのに、それをすることに恐怖も覚えていた私には、身動き一つ取れない二年間だった。

不毛な日々だったな……。

そんな切ない物思いにふけっていると。

「俺、来月CD出すんだよ」

耳元で暁の嬉しそうな声。

はっと見上げると、今日初めて見る明るい瞳があった。

「正直、俺の演奏技術なんてまだまだだけど、そんな俺に声をかけてくれた人がいたんだ。
最初は自信もないし断ったんだけど、なかなか向こうも諦めてくれなくて、そのうち俺も色々考えるようになったんだ」

「色々って?」

そっと顔を上げて、暁を見ると。

暁は私を抱きしめたまま小さく笑って、何故かこの瞬間に唇を寄せてきた。