リビングのラグの上に座っていた暁は、ずっと貯めていたに違いない苦しい言葉を吐き出すと。
ゆっくりとその体をずらし、私と膝を合わせて頭を下げた。
私の手をぎゅっと握りながら、肩を震わせている。
なんだか、再会してからずっと私達は泣いて謝ってばかりだな、と切なくなる。
暁と離れ離れになってから、何年も経ったけれど、その間ずっと信じていた暁との再会。
暁が海外に行って以来、何の音沙汰もなくて、お互いがどんな毎日を過ごしているのかもわからない日々。
大学を卒業して、仕事を始めた私は、勤務先の関係で実家を離れていたし。
偶然に再会できたとしたら、それはまさに奇跡だなと思っていた。
可能性なんてほんの少ししかないとわかっている奇跡。
信じていた奇跡だけれど、まさかこんなに早く会えるなんて思っていなかったから、気持ちに余裕もないし、すぐに整理できるわけでもない。
ひたすら迷いながら、それでも信じるしかない再会という奇跡が起こってからというもの。
泣いてばかり。
「あの……暁、今も、私の事を好き?」
肩を震わせて謝る暁の気持ちがわからなくて、どんどん悲しくなって。
一番知りたい事も聞けずにいるこの状態が耐えられなくなった私は、とうとう言葉に出してしまった。
今も、気持ちは変わってないですか?

