そこには、知らない人が立っていた。 「・・・あんた、誰。」 本当は優しくすべきなのだと思う。 でも、たぶん。 今のあたしには余裕がなかったんだと思う。 「美佐・・・・美佐じゃねぇの。」 誰よ、それ。 茶髪の男の人はあたしを見て凹んだ。 なんなの、こいつ。 あたし、見ず知らずの人に見られて凹まれるような事した? ・・・絶対してない。 だって、あたしは親ともまともに話してないような奴だから。 こんな人とは話した覚えすらないし、見かけた覚えすらない。