「あの…」


「ん?」


彼女は澄ました顔で冷笑…。


「私に何か御用ですか?」


「フフッ……どうしようかしら?」


「ハッキリとおっしゃって下さい!!」


私は声を荒げて彼女を睨み付けた。


今日は運よく、お客様が彼女1人。


「じゃあ、単刀直入に言うわ。私、ご主人の昔の女よ」


「……」


……やっぱりね。


けど、そんな事くらいで動じないわよ!?


「別れてとは言わないわ」


「???」


彼女が悍ましい表情を浮かべ、不安を掻き立てる。


背筋がゾッとし、鳥肌が立った。


「私、ご主人の悪行…結構知ってるのよね?」


「……」


「ご主人の仕事に変な噂が立ったら嫌でしょ?」


「脅しですか?」


やっぱり私を脅して、何か…するつもりなのね?


目的は何!?…………お金?