はぁ~と大きくため息を零すと、
「けど、今、危険な状態らしいの。絶対安静なんだって」
「ん」
「仕事も暫く休まなくちゃ…だし、家事も出来そうにない…」
「そんな事は気にしなくていい」
「……うん」
「杏花」
「ん?」
「ありがとうな」
「ううん、私こそありがとう」
俺は杏花の身体を気遣ってそっと腕を緩めた。
すると、
「要?」
「ん?」
「抱きしめてて……不安で怖い」
「……ん」
俺は杏花が安心出来るように
優しく、優しく、包み込むように。
お腹の子供にも限りない愛情を
注ぎ込むように……
優しく優しく抱きしめた。