料理が運ばれて来てもあまり口にせず、


口数も少なくなり、顔色が悪くなる一方。


俺が声を掛けると、意識が朦朧としているのか


テーブルにお茶を零してしまった。


俺が杏花の傍に駆け寄ると、


身体が冷たいのに額には薄ら汗が滲んで。


慌てて杏花を抱え、自宅へと急いだ。


寝室のベッドへ寝かせ、


いつものように村岡に電話を。


すると、30分程度で


医師を連れた村岡が姿を現した。


俺は杏花の手を握り、


医師の言葉に耳を傾けた。


すると―――――、


「一先ず、ゆっくり寝かせて下さい」


「は?」


「体温が急激に低下しているのは良くありません。すぐに部屋を温かくして、通気性の良い服を…」


「あの…」


「はい」


俺は医師を直視して…