「要は?」


「大事な商談がおありののようで、先ほど…」


「…そう」


時計に視線を移すと、8時を回っていた。


私、一晩ぐっすり寝てたのね。


「何か、お召し上がりになりたい物はございますか?」


「ううん、今はいいわ」


「では、お白湯でもお持ち致しますね」


寝室を出て行く、村岡さん。


……どうしよう。


要にも村岡さんにも迷惑を掛けてしまった。


拉致事件の時みたいに心配を掛けてしまう。


あの時はストレスだったけど、今回は…。


昨日の朝、無理しないで休めば良かったんだわ。


私ってホント馬鹿ね。


額に手を当て、目を閉じる。


「失礼します」


村岡さんが白湯を持って来た。


私は少し口にして、再び横に。


すると―――――、