―――――グラッ。


えっ?!


急に立ち眩みがして、床に座り込んだ。


……早まる鼓動。


どうしたんだろう……私。


額に手をかざしながら考える。


さっき、鏡に映った血色の悪い顔を思い出し


もしかして……貧血?


健康だけが取り柄の私。


風邪で寝込んだ事も無ければ、


ましてや貧血で倒れた事も無い。


寿司職人の父親のお陰で、


栄養のバランスは完璧で育ったから…。


初めての身体からの不調信号。


不安で動悸が治まらない。


大丈夫か……私。


床に座り込んだまま、深呼吸。


落ち着いて………大丈夫。


ただの貧血よ……しっかりして…。


私は強く脈打つ胸に手を当て、


目を閉じ……深呼吸。


すると―――――、