嬉し涙を零す杏花の瞼に唇を寄せて
1粒も零れないように吸い上げる。
俺の胸に添える手にそっと手を重ねて
「………愛してる」
俺はゆっくり杏花の唇へと…。
杏花の柔らかい唇へ触れると
溢れ出す熱情にのみ込まれた。
深くなる口づけにふらつき始めた杏花。
俺は咄嗟に身体を支え、そっと唇を離した。
少し物足りなさそうな表情を浮かべる杏花に
俺は心の底から甘心する。
「杏花、時間はたっぷりある。とりあえず温泉にでも入ろうか?」
「………へ?」
俺のキスにまだ酔っているのか、
杏花はボーっとして……。
俺はそんな杏花の上着を剥ぎ取り、
セーターの裾を捲り上げた。
その瞬間―――――、



