「要、要、要、雪、雪、雪、白銀の世界だよ~~~!!」
「フフッ……そうだな」
杏花の絶叫を聞きつけて、
「ようこそ、いらっしゃいました。当、緑心亭の女将、菊代と申します」
相変わらず、綺麗なお辞儀で挨拶する女将。
「ご無沙汰しております」
「3年ぶりかしら?」
「はい、あっという間ですね?」
「本当に。あの可愛らしい要君がねぇ~」
「ハハハッ……」
「紹介して下さる?」
「あっ、はい。妻の杏花です」
「杏花と申します。お世話になります」
「こちらこそ。さぁさぁ、寒いからお部屋へお連れして?」
「はい、いつもすみません」
「いいのよ、気を遣わないで。いつでもいらっしゃい」
「……はい」
「昼食は?」
「済ませました」
「そう。じゃあ、お風呂にでも入ってて。夕方に伺うわね?」
「はい」



