「要……何?この……バス」
「フッ……さぁ、何でしょう?」
「えぇっ?!」
もたもやキョロキョロし始める杏花。
薄明かりの中、あどけない表情が可愛らしい。
隣りに座る杏花を抱き寄せ、
唇が触れるくらい近づいて
「俺の新プロジェクト『シアターバス』だよ」
「へ?」
驚く杏花を余所に、
スクリーンには映画が映し出された。
しかも、杏花の好きなラブストーリー。
俺は驚く杏花の首筋にキスを落とし、
「試乗も兼ねてのお披露目だ」
「………」
「一番最初に乗せたかったからな」
「……要」
「ん?」
「…うっ……嬉しいッ!!////」
杏花は嬉しさのあまり、抱きついて来た。



