ドアが自動でゆっくり閉まった。
俺らは車内の奥へと。
座っても尚、興奮状態の杏花。
フフッ……1番最初に乗せて正解だったな。
車内は広々としていて、俺らの前にはテーブル。
そのテーブルの上には軽い食事と飲み物が。
俺は少し声を張って、
「出してくれ」
「承知しました」
運転手が返事をすると、
車内の照明が落とされ
運転席の後ろ部分に
自動でスクリーンが下ろされた。
そして……。
軽やかに発信する車と共に
スピーカーから静かな曲が流れて来た。
「杏花」
「はい」
「どう?」
「えっ?」
驚いている杏花の耳元でそっと囁くと、



