「おはようございます。社長、杏花様」
深々お辞儀をする沢田。
「おはよう」
「お、おはよう……ございます…」
杏花はキョロキョロと不思議そうに。
「沢田、準備は?」
「はい、全て整っております」
「ん」
「か……なめ?」
「ん?」
「もしかして、これに乗って行くの?」
「そうだけど?」
「2人よね?」
「あぁ」
唖然とする杏花の手を引き、
「じゃあ、明後日に」
「承知しました。良いご旅行を…」
沢田が会釈する横を通り過ぎ、
自動で開いたドアから車内へ。
杏花は興奮状態で見回している。
すると―――――。



