週末の金曜日の朝。
沢田の計らいで仕事を休み、
杏花と2人、一路『緑心亭』へ。
「杏花、荷物はこれだけか?」
「うん、他に何かあったかなぁ?」
杏花は玄関で考え込んで…。
「俺は杏花さえ居てくれたら何も要らないけど?」
「もう////////」
俺らはエレベーターで1階へと降りた。
杏花の手を引き、会社のエントランスを抜け
「えっ!?」
杏花は目の前の車に驚き立ち止まった。
「杏花?」
「えっ……要?旅行って2人きりよね?」
「あぁ、俺と杏花だけだけど?」
「へ?」
フフッ、杏花が驚くのも無理もない。
だって、俺らの目の前には……。
とても2人で旅行するには
不釣り合いの車が停まっているのだから。



