俺は杏花を寝室のベッドへと運んだ。


杏花の身体からはソープの香りが。


って事は、お風呂には入れたのか?


沢田の言うように、


手荒な真似はされていないのかもしれない。


不安のモヤが少し晴れた気がした。


けれど、まだ安心は出来ない。


俺は恐る恐る杏花の服を脱がし始めた。


―――――はぁ………。


とりあえず、見た所何とも無さそうだな。


前は爪痕や痣、擦り傷だらけで、


俺はあの時、杏花を労わる事が出来なかった。


1番辛い思いをしたのは杏花だというのに。


俺は杏花が愛用している下着を着せて、


その上にシルクのネグリジェを着せた。


その時―――――。


ポケットの中の携帯が…。


「もしもし」


「要?ごめんなさいね……杏花さんは?」


「ん……今、寝たところ」


「そう……」