「要……私を信じてくれて、ありがとう」


杏花は優しい声音で囁いた。


「当たり前だ。俺は杏花を手離すつもりは無い」


「……うん////////」


ギュッと抱きしめていた腕はいつしか


愛おしい人を優しく包み込むように。


「要、もっと明るい所で顔を良く見せて?」


「ん?」


杏花は両手で俺の顔を包み込み


優しく微笑みながらそっと唇を重ねた。


2週間近く久しい杏花との口づけは、


俺の凍え切った心と身体を溶かし始めた。


「キャッ!!////////」


俺は杏花を抱き上げ、リビングのソファへ。


乱れた前髪にそっと指を潜らせ


大きな瞳に吸い込まれるように


甘い 甘い 口づけを交わした。


俺の背中に添えられた杏花の手が


『私はここにいるよ』と言っているようで


俺は心の奥から満たされ、


杏花の甘い罠に呑み込まれた―――。