スタッフを払い除け、ズカズカと近づいて来る男。
俺のテーブルの脇で立ち止まった。
「ご足労頂き、感謝します」
「フッ……若造の分際で…」
「お元気そうで何よりです」
「お前こそ、しぶといヤツだ」
「フフッ、それはお互い様では?」
俺を見下ろしながら威嚇して来る彼に
俺は屈服しまいと、懸命に…。
そして……。
俺は琉生の手から離婚届を取り上げ、
席を立ち、彼の目の前に差し出した。
「あなたがお望みなのはコレでしょう?」
「………」
「これさえあれば、杏花は必要ない!!」
「………」
「この場で返して貰います!!」
俺は強い意志で言い切った。
半ば押し付けるような状態で、
離婚届を彼の胸に……。
すると―――――、



