「親父が母さんに暴力をふるうようになって…」
「はっ?!」
「兄貴は家を出てて知らないんだ。母さんが黙っててって言うから…」
「それで?」
「親父の怒りの矛先が俺に替り…」
「………」
「モデル仲間に嫌がらせをしたり、力を使って仕事も潰し始めて…」
「ッ!!」
何て人だ!!
自分の思い通りにならないからと言って…。
「俺だけなら我慢出来る。けど、仲間や母さんは何も悪くない。そんな人たちに手を下す親父を止められなくて…」
「………で?」
「親父が交換条件を…」
「それがコレか?」
「うん」
「俺らが離婚すれば全てが解決出来ると思うか?」
「………」
琉生は下唇を噛んで、顔を歪めた。
やはり、琉生は仕方なく手を染めたってワケか。
その時―――――。



