出納帳には……


ここ2週間ほどの出来事が事細かく記されていた。


盗聴器、盗撮用カメラ。


毎日、店に訪れたという


“美男子”と呼ばれる男の事も。


こんな事を杏花は今まで1人で……。


「社長!!??」


「………」


俺はいつの間にか座り込んでいた。


杏花がレモンを欲しがるようになったと聞いて


もしかしたら、俺らの子供が出来たのか?と、


1人で浮かれていた自分に腹が立つ。


俺は拳を握りしめ…


「沢田」


「はい!!」


「万全の準備で敵の巣窟へ乗り込むぞ!!」


「はい!!」


俺は杏花を救出する為、


あらゆる手を使い、万全を期ことを心に誓って。


もう、我慢の限界だ!!


何が何でも杏花を連れ帰る!!


そう、決意を新たにした。