すると―――――、


「もう、終わり?」


「へっ!?」


頬ずりしていた私の顔を、


両手で捉え、耳朶を甘噛み。


!!!!!


つい、声が漏れそうになる。


「かっ、要…起きてたの?」


「まぁね。杏花に誘惑されたら寝るのが惜しい」


「ふぇ!?ゆ、誘惑だなんて…し、してないし」


「そぉか?」


要が覆いかぶさるように……


耳の両脇に両肘をついて、


要の顔が……すぐ目の前に!!


ちっ、ち、近い!!


寝起きでまだ顔も洗ってないし、


髪もぐちゃぐちゃだし……


変な顔してないかな?……私。


恥ずかしさのあまり、両手で顔を隠す。


「ん?杏花。俺の顔、見たかったんじゃないのか?」


「えっ?」