翌日も仕事を理由に病院へ行く事を拒む杏花。


何をそんなに拒む事があるんだ?


体調が悪いのも気になるが、


杏花の様子が可笑しいのも気になる。


疲れているせいなのか、吐気がまだあるせいなのか…。


キスするのも嫌がる素振りを見せ始めた。


毎日、早々に寝てしまうし…。


一体、杏花の身に何が起きているんだ?



数日後―――――。


沢田が手配した杏花の護衛。


その者からの報告は…


『店と自宅の往復以外どこにも寄らず、特に変わった様子も無い』と言う。


じゃあ、どうして杏花は……。




その日の夜、


いつものように杏花は早々に就寝している。


俺はダイニングで村岡と。


「あの……要様」


「ん?何だ!?何かあったのか?」


「その後……病院へは……まだ?」


「あぁ、杏花が頑なに拒むんでな。無理やり担いで行くべきか?」


「そうですねぇ~、最近は吐気も大分治まって来てるようにも思えますし…」


「そうなのか?」