はぁ~と、深いため息を零すと


「けど、その事務所以外は常に俺の目がある事を忘れないで」


「ッ!!……」


「俺と取引するなら、元に戻してあげるよ」


「………」


「じゃあ、またね……杏花さん」


彼はそれだけ言うと電話を切った。


はぁぁぁぁあぁぁぁ~~。


ここで悩んでる暇は無い。


とりあえずは業者に頼まないと。



私はスタッフに怪しまれないように


“電話の調子が悪い”とウソをついて


業者に盗聴器と盗撮カメラの撤去を依頼した。


その後、事務所から盗聴器2台、カメラ3台が撤去された。


“ひと安心”と言いたいところだけど監視の目は継続中。


勿論、自宅にもその目は光っている。


探したくても、その行動さえ監視されては身動きも出来ない。



そして……彼は毎日のように


カフェ『Citrus Junos』へ…。