私は要のスイッチを入れてしまったみたい。
少し強引に重ねられる口づけは甘く、
私の思考を奪い去り、全てを甘く蕩けさせる。
段々と深くなる口づけ。
要の指先が顎から首筋を這い始めた。
その時―――――、
『いつでもどこでもアナタを見てる』
ッん!!!??
「ごっ……ごめっ……」
ベッドに横たわる私に覆い被さるような要。
そんな要を押しのけて、私はトイレに急いだ。
「オェッ……うっ……おぅッェッ……」
彼の監視下にある事を思い出し、
恐怖のあまり吐気を催した。
息苦しい……呼吸が……辛い……。
トイレの床に座り込んでいると、
「杏花!?大丈夫か!?」
要が駆け込んで来て背中を擦ってくれる。
「うん……大丈夫……ごめん…ね?」
「あぁ、いいって。具合が悪いのに……ごめんな?」
「ううん……私こそ……ホント、ごめん…」



