事務所へ戻ったけれど、ここも監視下だった。


どうしよう……どうしたら……。


針の筵に座らされてる気分。


息苦しくなって……吐気がする。


酸欠からなのか、眩暈を覚え…


無意識にソファの背もたれを掴んだ。


ダメよ……こんなんじゃ。


仕事にならない。


今日は早めに上がろう。


私は机上を片付け、


スタッフに店を任せて早々に家路に着いた。


自宅に着いた私は部屋着に着替え


吸い込まれるようにベッドに倒れ込んだ。


悪夢とも思える先刻の出来事が


走馬灯のように駆け巡った。


思い出すだけで総毛立ち、眩暈がする。


気持ちを落ち着かせようと、ゆっくり瞼を閉じた。


……要……要………要……。


真っ暗闇の中を彷徨いながら


何度も何度も要の姿を探し求めた。


「……杏花?……杏花!?」


「………ん?」