博士は気を削がれたようにカズ君に向き直ると、「ああ」と思い出したようにこれからの事を話し始めた。

カズ君は自分で聞いといてあまり聞いてない。

「どう思う?」博士は僕に聞いてきた。

つまり、家で治療をするのは僕一人だと無理だから、このまま入院し続けるのがいいらしい。

「うん、いいと思う。」博士に従うだけだ。他に方法なんかありはしない。

「通うのが大変だったら僕の家に留まってもいいし」博士の家はこの病院の近くらしい。

何となく話しがまとまったせいか3人とも黙ってしまった。

「帰ろうか?たっくん。」

カズ君がスッと立ち上がった。そして博士に向き直って言った。

「いろいろ教えて下さい。出来る限りの事はします。」

博士も立ち上がった

「こちらこそよろしくお願いします」

二人は握手を交わした。