とりあえず今はゆっくり休むようにと博士に言われて僕たちは解散することになった。

とは言っても僕たちがリョウちゃんの病室から出ただけだ。

博士とカズ君と僕は待合室みたいなところで3人で座った。

「言い訳するつもりも無いんだけど」今回の手術の経緯を博士が話し始める。

病気を発見したときはそうとう進行していたこと。手術の成功率はほんの数%だったこと。それでも手術をすると言ったのはリョウちゃんだったこと。

博士は気の抜けた顔で、ただ口だけ動かしていた。

「うん、言い訳ッスね」カズ君が珍しくトガッた言い方をする。

「でも、博士もやれるだけやってくれたんでしょ?」

うん。まあ。僕の問いに博士は気の抜けた返事をする。