犯人side





今、俺の目の前である男が倒れた。





びくともしない。





コイツは……この子は、もう死んでいるのだろう。





俺が





俺が殺した。





そう




俺が殺ったのに




この青年は





俺に情けをかけた。





俺に、もう大丈夫だよって





怖くないよって。





自分だって怖いはずなのに





痛みだって、あるはずなのに。






そう





痛くて




怖くて






目眩がして



悲しくて…





そんな状況で






自分より相手の方が苦しいなんて





なかなか思えるものではないだろう。






コイツは










どうしようもなく優しかったんだ。