「……楽しい思い出だって、あるはずなんです。そう思って探してみたら…たくさんあって…、
そしたら………っ悲しい思い出なんてっ…ほんとにちいさくて……っ!」
気づくと私は泣き出していた。
頬を涙が伝う。
手で覆っても
覆いきれない。
どうしても鏡夜が恋しいって
その気持ちは隠せなかった。
どんなにたくさん楽しい思い出があっても
これからの未来がないなら
寂しいだけだって
でも
でも
でもーー…
私は
鏡夜を
悲しませたくなんてない。
「……私はなんで謝っていたんだろうってっ……!何度も謝ると鏡夜はいつも絶対悲しい顔をしていたのにって……っ!」
鏡夜は私が悲しい顔をして嬉しいわけなかった。
たくさん謝るなんて自己満足で
鏡夜を苦しませていたんだ。
私が泣きながら謝るといつも
「泣かせてごめん」って
「そんなに謝るな」って
悲しそうな顔でいってたじゃないか
だからもう
辛かったことを思い出して泣くなんてやめようって
悲しかったことを思い出してなくよりも
楽しかったことを思い出して笑った方が
絶対楽しいって。
もし楽しかったことを思い出して泣いてしまっても
悲しかったことを思い出すより
ずっと前向きだって
私は
いつからだろう?
そう思えるようになったから。