数分後。
なぜか用意してあった着替えを身にまとってみたけど
なにを持って行くべきなのかわからなかった。
とりあえず
充電が満タンの携帯と
あの箱をもって
病室の外にでた。
そこには
さっき私を諭してくれた人と
なぜか全然言葉を発していなかった人が静かに待っていた。
「……お待たせしました。」
「いえ。それじゃ、行きましょうか」
「……はい」
やっぱり少し怖い。
体は震える。
鏡夜のあの時の姿が
脳裏で蘇る。
それでも、
いかなきゃならない。
これは
アイツに会うことは
私がこれからの人生
前を向くために
必要なことだと思うから。
