腕には点滴が刺してあり
窓からは光がさしていた。
(…今何時?)
見回すと時計があった。
(10時……私、どうしたんだっけ)
そして、私は思い出した。
私達は旅行にきてたこと。
警察の人に抑えられてる時
気を失ったこと。
犯人は自首したこと。
鏡夜が……死んだこと。
体のあちこちが切られてて
痛々しくて
自分は無力で
気づけなくて
気づいてあげられなくて………
そして私は再び実感し
目から溢れてくる涙を
止めようとも
拭おうともしなかった。
そしてうつ伏せになり
ひたすらに
声をこらえ
枕を濡らした。