君が落とした
シュシュをひろった

やわらかく、風になびく
君の髪に 時々 優しく結びついていたもの

早足で
君の元へ駆け寄って

「落ちたよ」と、
渡す時間は十分にあったのに

僕は
拾い上げたシュシュを
そっと
ポケットにしまった

届かない思いを
引きずるのは
もうやめたい

そう考えながらも
僕は
柔らかな
シュシュを握りしめて
確かに恋の幸福を感じているのだ