脳内恋愛




『 …この教会には
  僕らしかいないんだ。

  神父さんは君がいなくなって
  すぐに姿を消してしまった。

  ここは街からすごく遠いから
  誰も近づきやしない。

  だから、僕らしかいないの。  』




人が居ないのは
そういう事だったのか、と
彼女はウン、ウン、と頷きながら
納得している様子。



彼は続けた。



『 僕らこの教会に居るのはね、
  家族に捨てられたらから、
  ここに居るんだよ?    』



『 ワタシ達、す、捨てられたの…? 』

捨てられたらということに
驚いている彼女を、
チラリと見て彼は続けた。


『 ウン。神父さんがそう言ってた。 』


そっか…。
家族に捨てられたんだ、ワタシ。



『 僕にはマリアが必要だよ?
  だから、いなくならないで… 』



彼は急に悲しげな顔になり
寂しそうにそう言った。




ああ、彼はほんとうに友達なんだ。
きっと彼の言うことは真実なんだ。
信用されているんだ。
必要とされているんだ…。



『 ありがとう。
  記憶が思いだせないけど、
  ワタシはあなたを信じるわ。
  あなたしか、ワタシ、
  信じるものがないしね! 』


と、彼女は笑った。