コンコン!


ガチャッ!


「ただいま戻りました」


「買えたか?」


社に戻り恭介さんに買って来た物を渡す。


「ん。で?」


受け取って


「あ、髪飾りです。シュシュとピンとリボン」


「分かった」


「晩御飯の後に涼が渡すと思いますので その時一緒に」


「ん」


「じゃあ仕事に戻ります」


部屋を出ようとしたら


「志織」


「はい」


手招きされて近寄ると


「ち、ちょっと」


腕を引っ張られ


「…ゥゥン」


唇を奪われてしまった。


それも激しく…


――





唇が離れ


「な、何をするんですか!」


本当にもう!


「ん?買い物してくれた礼だ」


「……」


そんなお礼要らないし。


「クッククク…睨んでないで仕事に戻れ」


「睨んでないでって睨むようなことしないで下さい」


「お礼しただけだ」


「そんなお礼は要りません。言葉だけで充分です。失礼します」


恭介さんが何か言う間に出て行く。