「あれが生まれたばかりの陽菜ちゃんだよ」
真っ赤な顔をして泣いてる赤ちゃんは、まるでお猿さんのようです。
陽菜、猿だったんだ。
「恭介さん、ほら、可愛らしい女の子でしょ?」
ママが自慢気にパパに話しています。
ママ、その陽菜はお猿さんだよ。
「あぁ。可愛らしい子だ。それに何より元気だ」
パパも可愛らしいって…お猿さんだよ。
「志織、ありがとうな。こんな可愛い娘を俺にくれて」
「恭介さん」
「宝物が二つになったな」
「フフッ そうですね。涼とこの子と」
『宝物』
…陽菜とお兄ちゃんはパパとママの宝物なんだ。



