「おいちかったねぇ」
陽菜がお腹を擦りながら大満足な顔をしています。
何だか親父臭いです。
あ、パパは親父臭くはありません。
パパはめちゃめちゃかっこいいんだから。
僕の憧れです。
「これからどうする?何か乗りたいのあるか?」
「う~ん」
僕が答える前に陽菜が
「ひなね、あれにのりたいの」
指差した先にあったのはメリーゴーランド
「ひなね、おうまちゃんにのりたいの」
「涼、いいか?」
「えっ?僕も乗るの?」
「おにいちゃん、いっちょにのろ」
僕の手を取ってメリーゴーランドの方へ歩き出します。
「ひ、ひな」
こうなったら誰も陽菜には逆らえません。
だって陽菜は最強だもん。
パパとママが笑いながら
「涼、一緒にお願いね」
って言うで仕方なくメリーゴーランドに乗ることに。
「ひなね、このおうまちゃん」
ピンクのリボンをつけた白馬です。
一緒に乗ろうとすると
「ひなひとりでのるの」
と言い張ります。
仕方ないので
「ひな、ぜったいにてをはなしちゃだめだからね」
と言い聞かせ
「うん」
真剣な顔で頷いてます。
僕は陽菜の後ろの馬に乗りました。
メリーゴーランドが動き始めました。
陽菜は嬉しそうです。
あ、パパとママだ。
「パパ~ママ~」
陽菜が手を振ってます。
ママも振ってくれました。
パパは…ママの肩を抱いて引っ付いてます。
パパはどんだけママが好きなんでしょう?



